水たまりノート

- The Puddle Note -

ブラジル人の転校生がピアスを着けてきたら。あなたは何という?

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こんなツイートがあった。

ブラジル人の転校生が小学校にピアスを付けてきた。

「校則に違反しているから」と注意してもその子は「母からの贈り物だから」と言ってピアスを外さない。

あならならその子にどういうか?

今回はこのテーマについて考える。

ピアスの文化

ピアスは日本においてはファッションの意味合いが強いが、フィリピンなど他国では「魔除け」として幼い子供の頃から着ける文化があるそうだ。

ピアスは着飾るため特に女の子のアクセサリーという印象が強いですが、ルーツは邪悪なものから身を守るため「魔除け」だったようです。

古代の原始信仰では、人間が病気などをするのは悪魔の仕業であると信じられていて、人の体に開いている穴は、外界から魔物が入ってくる場所と考えられてきました。

そのため、耳に光り輝くものをつけて、暗闇に棲む魔物を遠ざけようとしたのです。 そういった部分を保護するために、鼻や耳など穴の開いた部分を保護するためにピアスが用いられていました。

現代でも国や文化によっては、子供、特に女の子が生まれると、生後間もないうちにピアスを装着させる習慣があります。

(以下ページより引用。)

www.wargo.jp

ブラジル人の転校生の場合もこの魔除けの文化として母親がピアスを着けたと思われる。

2つの立場

ぱっとこの話を聞いたときに浮かぶのは対立する2つの立場だ。

異文化理解の機会

ひとつは、国際化が進んだ現代において「こういう文化を持つ人もいるのだ」とピアスを付ける転校生の態度を受け入れる立場

相手の文化を尊重する立場とも言えるだろう。

「あなたのお母さんは素敵な方だね。あなたを守るためにピアスを着けたんだもの。」

と転校生に話し、ピアスを外すことを求めない。

逆に他の児童に魔除けとしてのピアスという文化について説明し、理解を促す。

うまくいけば異文化理解のよい機会となる。

ただ下手をすると「どうしてあの子はよくて自分たちはダメなのか」と不公平感が生まれるかもしれない。

郷に入っては郷に従え

もうひとつの立場は「郷に入っては郷に従え」の精神でピアスを外すことを求める立場だ。

どんなに相手のもといた国の文化とはいえ、今いるのは日本の学校で、そこの規則は皆が平等に守るべきだというもの。

この立場からだと、ブラジル人の転校生には以下のように話すことになるだろう。

「きまりは皆が守るべきものだよ。あなたがブラジル人だからと例外的に扱うのを他のお友達はどう思うかな。」

転校生は恐らく悲しい気持ちになるに違いない。

が、他の児童の不公平感は生まれない。

ピアスでなかったら…

これがピアスでなかったらどうだろう?

例えば神社のお守り

学校には必ずしも必要ではないものだが、魔除けとしての意味合いから親が子供に持たせることはよくある。

日本の文化ではお守りを学校に持っていくのはよくある話だ。

「郷に入っては郷に従え」派の人は「同じ魔除けとしての贈り物なら、お守りを代わりに持たせる案はどうだろう」と思うかもしれない。

日本式のやり方で、転校生とそのお母さんの想いを汲むというものだ。

ホームステイの時の話

話は変わるが、私は中学生の時カナダにほんの少しの間だけホームステイをした。

そこで食事前に手を合わせて「いただきます」というと、ホストファミリーはこんな風に話してくれた。

「私たちの家では食事の前にはお祈りをするのよ。

あなたのそのいただきます、のようなものね。

うちでの食事の時には一緒にお祈りをしてもらってもいいかしら?」

特別宗教にこだわりのなかった私はもちろんと話し、その日から一緒にお祈りをした。

これが「ピアス代わりのお守り」に当たるのではと思う。

相手の文化を理解した上で、相手に合わせてもらう。

結果としてどちらかが折れなければならないが、双方の歩み寄りの例ではある。

ブラジル人でなかったら…

ピアスをしてきたのがブラジル人の転校生でなかったらどうだろう?

日本人の児童が「お母さんからの贈り物だから」と言った場合、「それは外すべきだ」という意見の人が多くなるような気がする。

それはやはり日本ではピアスはファッションとしての意味合いが強いからだし、同じ日本人として同じ文化(ピアス=ファッション)を共有しているという前提があるからだろう。

ブラジル人だからピアスを外さなくてよくて、日本人だから外させるというのはある意味差別ではないのだろうか?

そもそも何のための校則なのか?

ここで、「学校にピアスを着けてきてはならない」という規則は何のためにあるのかを考えたい。

怪我を予防する

考えられるのは怪我を防ぐということだ。

子供同士じゃれあっているうちにピアスの部品で怪我をしてしまう・させてしまう可能性は十分にあると私は思う。

ピアスというものに慣れていない日本人の子供ならなおのことだ。

それであれば、ブラジル人の転校生だろうと日本人だろうとピアスはしない方がいい。

文化を守ることはもちろん大切なのだが、「子供を怪我から守るため」という理由は何よりも強いように私には思える。

風紀の乱れを予防する

学校側としてはピアスをきっかけに、髪を染め始めたり不要なものを学校に持ってきたりといった風紀の乱れが引き起こされることを危惧しているだろう。

子供たちがしっかりと「ピアスを着けてきてよいかどうかは文化の違いからくるものだ」と理解していればいい。

がそうでない場合、日本人の子供がピアス着けたさに「私もお母さんからの贈り物なの」と言い出す場合がある。

そこから「ピアスはよくて染髪がダメな理由は何なのか」「おもちゃに見えるがこれも魔除けだ」と児童や保護者が暴走し始めることはないとは言えない。

転校生がピアスを着けてくることを認めた場合、児童はもちろんのこと、保護者にも文化理解の説明が必要になってくるだろう。

いじめを予防する

これも文化理解がうまくいかなかった場合だが、いじめが助長されるのではという心配がある。

ただでさえ色々な文化・慣習・見た目の違うブラジルからの転校生に対し、「あの子はピアスもOK」となると、不公平感を覚えた周囲の児童が「あなたはいいよね、ブラジル人だから、文化が違うという理由で許されることが多くて」と考えるかもしれない。

また、上に書いた風紀の乱れが起こってしまっている状況だと、さらに事態は悪化する。

貧富の差や価値観の違いから、持ち物や服装に差が生じ、それがさらに「あの子はピアスも着けられない貧乏な子」などといったいじめを生んでしまう。

風紀に関する規則の意味

余談だが、私は風紀に関する規則は一定の意味があると思っている。

それは貧富の差が見た目からわからないということだ。

同じ制服、同じ髪型であれば、安心して勉学に専念できるのだ。

私は幼いときに父と死別してずっと母子家庭だった。

市販の服は高いからと母が作ってくれた服をずっと着ていた。

また小学生のころ、いつも同じ服を着ている子は真っ先に「汚い」といじめの対象になったのを覚えている。

風紀に関するきまりがあれば、子供をいじめから守れる。

まとめ

ブラジル人の転校生に対する立場は2つある。

  1. ピアスを着けてくることを認める

  2. ピアスを外させる

私は後者を推したい。

理由は以下の通りだ。

  • 怪我から子供を守るため

  • 風紀の乱れを防ぐため

  • いじめから子供を守るため

つまりは転校生の側には折れてもらう。

大事なのは「郷に入っては郷に従え」というより、あくまで「なんのための規則なのか」というところに根差した理由であることだ。

そういう意味で、怪我から子供を守る、というのは最大の理由になる。

(これが形骸化しただけの規則であれば判断は変わってくる。)

ただ、ピアスという文化を児童、保護者に説明して理解する機会を設けるのは必須だ。

転校生とその親がこちらに合わせてくれているということを知り、その分つらい思いをしているという気持ちを汲むのは必要だろう。

ひとつ提案としてあるのは、学校外ではピアスを着け、学校にはピアスを「お守り」に入れて持ってくるというものだ。

これなら怪我の心配もないし、子供を守りたいという転校生の親や転校生の気持ちも大事に出来るのではないだろうか。

ということで私ならブラジル人の転校生にこう話す。

「あなたのお母さんはあなたを大切に思っているからピアスを着けたんだね。

違う国の文化を知れて勉強になったよ、ありがとう。

でも私たちには守るべききまりがあるんだ。

このきまりはあなたやお友達が怪我やいじめでつらい思いをしないためのものだよ。

だから少し悲しい思いをさせるけれども、学校ではピアスを外してほしいんだ。」

あなたはどんな立場ですか?

どう話しますか?

今回の曲は「We Are The World」。


USA FOR AFRICA - We Are The World

ではでは、ciao!!