水たまりノート

- The Puddle Note -

新宿ぶら散歩~失われた池・花柳界の名残を求めて~

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新宿駅の西口を出て都庁へ向かって進むと新宿中央公園がある。

緑豊かな大き目の公園で、オフィスビルが立ち並ぶ中で憩いの場となっている。

この一角にあるのが、西新宿・新宿駅周辺・歌舞伎町等新宿の総鎮守である熊野神社だ。

かつて、この西側には大小2つの溜池(十二社の池)があった。

近辺は明治以降料亭が立ち並び、擁した芸子は300名。

花柳界として知られていたらしい。

宅地化のため埋め立てられてしまった池と花柳界の名残を求めて、今回は周辺をぶらりと散策してみる。

西参道から十二社池を目指す

新宿駅から甲州街道沿いを歩くと「西参道口」という標識が見えてくる。

ここが十二社(じゅうにそう)通りとの交差点だ。

写真にちらりと写っているが、ちょうど高層マンションを建設していた。

TSI新宿タワー

ここから十二社通りを北上すると新宿中央公園に出る。

写真手前、緑が生い茂っているのが公園。

奥には東京都庁が見える。

西新宿のあたりはかつての地名は「角筈(つのはず)」といったようだ。

公共施設や自治会館?の名前にその名残がある。

さて、さらに十二社通りを進むと「十二社池の上」というバス停に池の名称が残っている。

確かにこの辺りに池はあったらしい。

周りは道路、ビルだらけで池の痕跡は見当たらない。

十二社池の名残

調べたところ、十二社池は新宿ニューシティホテルと後楽園新宿ビルのあたりにあったらしい。

こちらが新宿ニューシティホテル。

後楽園新宿ビルは名前か建物が変わっていた。

この2つの建物の間の通りに坂を発見。

写真では伝わりづらいかもしれないが、公園・通り側から西に向けて大きく下っている。

これが池の名残ということになるのだろうか。

路地裏へ

大通りから少し路地裏に入る。

なんとも言えず雰囲気がある。

日本映画の1シーンに出てきそうだ。

猫がのんびり日陰で休んでいた。

のどかである。

この路地裏は坂が多い。

池があったせいなのか。

旅館「一直」

この辺りが花柳界として栄えた痕跡として「一直(いちなお)」という旅館があると聞いたので行ってみた。

今は廃業してシェアハウスになっているようだ。

門構えはやはりそれっぽい。

先にも書いたが、この辺りが擁した芸子は300名、最盛期には料亭・茶屋が100軒ほどあったそうで、それもこの1軒となってしまったのだと思うと少々物悲しい。

再び大通りへ

路地裏に別れを告げ、再び大通りへ出てみよう。

可愛らしいデザインの交番がある。

この時間はちょうどランチタイムで、サラリーマン・OLがIDを首から下げ、財布を持って今日のお昼を探していた。

NHKなら「サラメシ」の取材をしたいところである。

新宿中央公園の北の端、熊野神社前交差点まで来たので、この辺りでUターンしよう。

……すると「十二社池の下」のバス停も発見。

上・下で距離は大体中央公園の長さと同じくらいだ。

熊野神社

熊野神社にお参りしていこう。

ビルとのコントラストが面白い風景だ。

都会の神社ならではといったところ。

この日は赤ちゃんを連れて家族でお参りしている方がいた。

どうやらお宮参りのようだった。

ほのぼのとした光景で、赤ちゃんのこれからの成長を祈るばかりだ。

また、十二社池についての記述もあった。

新宿中央公園

神社からは中央公園に通じる道がある。

ここから公園内に向かってみよう。

白糸の滝、という滝があった。

昔、十二社池があった頃は6つの滝があったらしいが、こちらの滝は公園ができてから人工的に作ったものではないだろうか。

白糸の滝の裏側はナイアガラの滝になっている。

両面滝とは豪華だ。

面白い。

また、西新宿がビル群になる以前は浄水場があったそうで、その痕跡も公園内に見られる。

築山の上にあるあずまや「六角堂」だ。

六角堂にはお弁当を食べる人、オカリナを吹く人がいた。

オカリナの素朴な音が公園内に響き渡って、森林浴が捗る。

公園に架かる大橋からは都庁が見える。

こう見ると流石にかっこいい。

丹下健三の作品ということで、建築好きでなくてもそのデザインのすごさがわかる。

まとめ

ということで今回は西参道口から十二社通りを北上し、十二社池や花柳界の痕跡を探した後、熊野神社にお参り、新宿中央公園で森林浴を楽しんだ。

下調べが足らない点があり、ブラタモリのようにはいかなかったが、熊野神社には十二社池について記述された看板があったので、これを見るだけでも結構な情報だ。

秋晴れの中の散策はとても気持ちがよかった。